10 月 20

bekindrewind.jpgひょんなことからハリウッド映画をホームビデオで勝手にリメイクしてしまうおバカな男たちの姿を、映画愛と手作り感いっぱいに描いたハートウォーミング・コメディ。

出演:ジャック・ブラック、モス・デフ、ダニー・グローバー、ミア・ファロー、メロニー・ディアス、シガーニー・ウィーバーほか
音楽:ジャン=ミシェル・ベルナール
脚本:ミシェル・ゴンドリー
監督:ミシェル・ゴンドリー



まずはYouTubeで”Sweded”を検索。
世界中には愛すべきバカたちが沢山いる事が分かってニンマリしてしまいます。
この”Sweded”とは何か?
それはこの作品内で、ジャック・ブラックたちが手作りビデオをお客さんに誤魔化す為に「このビデオは”Sweded(スウェーデン製)”なんだよ」と適当すぎる言い訳をした事から、この”Sweded”という造語が映画好きに広まり、YouTubeなどで”Sweded”作品がブームになったというわけなんです。
それくらいこの作品の中で名作の数々が”Sweded”されていく様子は印象深く、誰しもが自分たちでもやってみたくなる事請け合い。
僕がこの作品のストーリーを最初に知った時、「絶対にこれは爆笑必至の作品になるに違いない!」と確信したのもそこが大きな理由でした。

しかし、実際に観てみてそれは良い意味で裏切られました。
名作の数々を”Sweded”するのはあくまでストーリーの過程であって、作品のテーマではなかったんです。
そう、この作品はジャック・ブラック主演のおバカコメディではなく、現在の映画界へのアンチテーゼを多分に含んだ感動作でした。

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4 月 3

51qad565hhl.jpg若さ溢れる2人の青年が美しい人妻とともに、それぞれの思いを胸に幻のビーチ”天国の口”へと向かうひと夏の旅を描いた青春ロード・ムービー。

出演:ガエル・ガルシア・ベルナル、ディエゴ・ルナ、マリベル・ヴェルドゥ、フアン・カルロス・レモリーナ、アナ・ロペス・メルカード、マリア・アウラほか
脚本:アルフォンソ・キュアロン、カルロス・キュアロン
監督:アルフォンソ・キュアロン



2人の少年と1人の人妻の旅。
お互いの身の上を話し、くだらない事で笑い、そして距離を縮めていく。
思春期特有の性に対しての貪欲な興味や、全てに対して立ち向かい、また逃げ出したくなる衝動を、アルフォンソ・キュアロンはこの刹那的な旅の中で見事に描いています。
“天国の口”へと向かう途中で様々な表情を見せるメキシコの風景描写も美しく、その移り行く風景はまるで人生のよう。
一度しかない人生、一度しかない瞬間。
有限だからこその貴さと切なさをリアルに感じさせてくれる作品です。

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3 月 25

969477finding-neverland-posters.jpg「ピーター・パン」の原作者バリと、彼に「ピーター・パン」を書かせるきっかけとなった家族との交流を描いた感動ドラマ。

出演:ジョニー・デップ、ケイト・ウィンスレット、ジュリー・クリスティ、ラダ・ミッチェル、ダスティン・ホフマン、フレディ・ハイモアほか
音楽:ヤン・A・P・カチュマレク
脚本:デヴィッド・マギー
監督:マーク・フォースター


ストーリー、映像、演技、音楽、そのどれもが見事なアンサンブルを奏でながら互いに引き立て合う、温かく、そして切ない物語。

「シザーハンズ」や「パイレーツ・オブ・カリビアン」などメジャー、インディーを問わず、個性的な役柄を演じる事で知られるジョニー・デップですが、この作品での役柄はそれほど個性的なキャラクターではありません。
それにも関わらず、彼以外有り得ないという程のハマリっぷり。
きっとそれはジョニー・デップがバリと同じように少年の心を持ち続けているからなのでしょう。
ちょっとした瞳の動きやさり気ない仕草で、時にコミカルに、時にシリアスにバリを演じたこの「ネバーランド」は、彼の出演作の中でも傑作の部類に入ると思います。

バリと運命的な出会いを果たす未亡人を演じるのはケイト・ウィンスレット。
「タイタニック」での如何にもヒロイックな演技は好きじゃなかったんですが、この作品での未亡人役はまるでそれとは別人のよう。
見事と言うほかありません。
そして何と言ってもこの作品のもう1人の主役ピーターを演じたフレディ・ハイモア。
後に「トゥー・ブラザーズ」や「チャーリーとチョコレート工場」などに出演するわけですが、この作品当時は12歳…。
恐ろしい。
あと、ダスティン・ホフマンが「演劇界のナポレオン」と呼ばれたチャールズ・フローマンを演じてたのですが、過去にスピルバーグの「フック」でフック船長を演じていたのは単なる偶然なのでしょうか。

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3 月 9

eternalsunshinepubv.jpg終わってしまった恋の思い出を捨てた彼女と捨て切れなかった彼の、かけがえのない楽しかった日々を辿っていく切ないラブ・ストーリー。

出演:ジム・キャリー、ケイト・ウィンスレット、キルステン・ダンスト、マーク・ラファロ、イライジャ・ウッドほか
音楽:ジョン・ブライオン
脚本:チャーリー・カウフマン
監督:ミシェル・ゴンドリー


この作品、恋人の記憶を消すというSF的な設定はありますが、基本はあくまでラヴ・ストーリー。
しかも、映画でありがちな都合の良いラヴ・ストーリーじゃなくて、現実の世界でありふれているリアリティを感じられるラヴ・ストーリー。

そんなありふれたラヴ・ストーリーをここまで素敵な物語に仕上げたのは、やはり脚本の力が大きいと思います。
「現在」から「過去」へと恋人との記憶を遡りながら、楽しかった記憶、辛かった記憶、その全てを再び体験し、そして同時にその記憶が消えていってしまうという設定は、このありふれたラヴ・ストーリーを特別なものにしています。
全てが時系列で語られるわけではないので所々戸惑う所もありますが、次第にそれもチャーリー・カウフマンから観客への挑戦のように思えてきて、思わずにやっとしてしまいます。
記憶の中のファンタジックなシーンをCGを使わず、セットで表現していた拘りにも拍手を贈りたいですね。

ジム・キャリーはこの脚本に惚れ込み、ほぼノー・ギャラ(通常のギャラは約20億らしい…)で出演したそうですが、他のドラマ系作品で見せてきた演技とは違う、「普通らしさ」を前面に出した素晴らしい演技を見せています。
あの変幻自在の顔芸は見られないのは残念ですが、心の内面を見せない現実世界のジョエルと、生き生きとした表情を見せる記憶の世界でのジョエルの演じ分けは見事と言う他ありません。

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3 月 5

milliondollar-baby.jpg年老いたトレーナーと孤独な女性ボクサーの深い絆を描いたヒューマン・ドラマの傑作。
2004年アカデミー賞で作品賞、監督賞、主演女優賞、助演男優賞の4部門を受賞。

出演:クリント・イーストウッド、ヒラリー・スワンク、モーガン・フリーマンほか
音楽:クリント・イーストウッド
脚本:ポール・ハギス
監督:クリント・イーストウッド


アカデミー賞を受賞するのも当然。
ストーリー、演技、映像、音楽、どれも決して派手ではないですが、深い味わいに満ちた間違いなく傑作と呼べる作品です。

「ミスティック・リバー」でのショーン・ペン、ティム・ロビンス、ケヴィン・ベーコンの3人による静かにぶつかり合うような演技も素晴らしいものでしたが、この作品のヒラリー・スワンク、クリント・イーストウッド、モーガン・フリーマンの演技はとにかく深い。
自分が何をどう演ずるべきか悟りきっているかのような、そんな自然で少しの無駄も無い演技。
クリント・イーストウッドとモーガン・フリーマンの、年輪を重ねた人間の味わいを醸し出す引きの演技は勿論素晴らしいのですが、やはり特筆すべきはヒラリー・スワンクでしょう。
表情、台詞、目線、そして全て代役なしで挑んだボクシング・シーンまで、内に強い意志を秘めるマギーという1人の女性を完璧に表現しています。
フランキーとスクラップにも言える事ですが、特にこのマギー役はヒラリー・スワンク以外有り得ない。
完全に同世代の女優の中でもずば抜けていますね。
「ビバヒル」時代が嘘のようです。

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