4 月 1

20060208113249.jpg廃墟と化した不気味な街に足を踏み入れた母娘に襲い掛かる想像を絶する恐怖を描いたコナミの大ヒット・ホラー・ゲーム「サイレント・ヒル」の映画版。

出演:ラダ・ミッチェル、ショーン・ビーン、ローリー・ホールデン、デボラ・カーラ・アンガー、キム・コーツ、アリス・クリーグ、ジョデル・フェルランドほか
音楽:ジェフ・ダナ
脚本:ロジャー・エイヴァリー
監督:クリストフ・ガンズ



静かに降り積もる灰の如く悲哀を帯びた幻想的な白のサイレント・ヒルと、人間の醜さ、悲しさ、恐ろしさが生み出した狂気と漆黒の闇に包まれた黒のサイレント・ヒル。
その罪と歪んだ心故にサイレント・ヒルに囚われた人々と、禍々しい闇の住人たち。
神経を蝕むかの不気味なSEとゴシック・テイスト溢れる冷ややかな音楽。

神と悪魔。
善と悪。
母と子。

対を成す様々な事象が絡み合い、見事にサイレント・ヒルという異世界を形作っています。

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3 月 29

51dscqj6tl.jpg飛行中の機内で数千匹のヘビが乗客たちに襲いかかる本格B級パニック・ムービー。

出演:サミュエル・L・ジャクソン、ジュリアナ・マーグリーズ、ネイサン・フィリップス、ボビー・カナヴェイル、トッド・ルイーソほか
音楽:トレヴァー・ラビン
脚本:セバスチャン・グティエレス、ジョン・ヘファーナン
監督:デヴィッド・R・エリス


殺人現場を偶然目撃した青年を消す為に、ギャングが飛行機に数千匹の蛇を放つというそのあまりにアホ過ぎる設定だけでもうこの作品の成功は約束されたようなもの。

主演のサミュエル・L・ジャクソンはこの作品のタイトル(原題”Snakes On A Plane”)を見ただけで出演を快諾したそうです。
何て素敵な俳優なんでしょう。

果たしてその出来の方はと言うと、予想通り超B級の内容で終始にやけっ放し!
完璧にB級映画ファンのツボを心得てる作品です。
特にクライマックスでのサミュエル・L・ジャクソンのFuckin’連発、そして荒唐無稽な蛇の倒し方は最高。
プレイステーションの偉大さも知る事が出来ます。
これはまさに、B級映画ファンの、B級映画ファンによる、B級映画ファンの為の映画と言って良いでしょう。

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3 月 16

jumper.jpgテレポート能力を持つ主人公に迫る宿命的な危機を最新のVFXを駆使しサスペンスフルに描いたSFアクション・アドベンチャー。

出演:ヘイデン・クリステンセン、ジェイミー・ベル、レイチェル・ビルソン、サミュエル・L・ジャクソン、ダイアン・レイン、アンナソフィア・ロブ、マックス・シエリオットほか
音楽:ジョン・パウエル
脚本:デヴィッド・S・ゴイヤー、サイモン・キンバーグ、ジム・ウールス
監督:ダグ・リーマン


もし自由にどこへでも瞬間移動出来る力があったら?

きっとみんな同じような事するでしょう。
デヴィッドほど私利私欲に走るかどうかは人それぞれでしょうけど。

そう、アナキン役でダーク・サイドが気に入ってしまったのか、ヘイデン・クリステンセンはこの作品でも悪い顔してます。
「僕は何も悪くない。そうするしかなかったんだ。環境がそうさせたんだ!」と言いたげな表情をさせれば世界一(褒めてます)のヘイデン・クリステンセン。
年を取るにつれてどんどん魅力が減ってきてるような…。
お腹も出てたし、身長以外では完全にジェイミー・ベルに負けてました。

そんなヘイデンを追跡するのが”メイス・ウィンドゥ”サミュエル・L・ジャクソン。
ライトセーバー似の武器を手に徐々にヘイデンを追いつめていくのですが、このパラディンという職業(?)の位置づけがよく分からない。
ジャンパーvsパラディンという構図は単純明快で良いのですが、困った事にどちらも善でも悪でもなく、その両方を併せ持つ存在なので、最後までどちらにも感情移入することが出来ませんでした。
これでサミュエル・L・ジャクソンがいつものように「マザファッカ!」と一言言ってくれれば、断然そっちを応援したのに。

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3 月 14
JSA

jsa.jpg今も緊迫した関係が続く「南北の分断」をテーマにし、38度線上の共同警備区域(Joint Security Area)で起こった射殺事件の真相を描いたヒューマン・サスペンス。
当時、韓国で「シュリ」の記録を塗りかえ歴代興行収入No.1を記録した作品。

出演:イ・ヨンエ、ソン・ガンホ、イ・ビョンホン、キム・テウ、シン・ハギュンほか
音楽:チョ・ヨンウク
脚本:キム・ヒョンソク、チョン・ソンサン、イ・ムヨン、パク・チャヌク
監督:パク・チャヌク


韓国へ行った際、板門店にも行ってきました。
氷河と化したイムジン河、明らかに異質な緊張感が漂うJSAと、そこから見える北朝鮮の荒涼とした大地。
日本とはあまりにかけ離れたその情景は、今でもまざまざと甦ってくるほど強烈なものでした。

この作品が描くのは、南北の兵士たちの禁じられた友情と、皮肉にもその友情が生み出してしまう悲劇。
そして、何も変えることが出来ない主人公たちの悲しいほどの無力さ。
何故同じ民族が分断され、敵同士となり殺し合わなければならないのか。
戦争の不条理さ、残酷さ、悲惨さ。
敵同士だという事を忘れさせるほどの微笑ましい光景が続けば続くほど、より深く、重く心に突き刺さるあまりにも哀しい結末。
この作品には統一への希望と願いが託される一方で、友情だけでは変える事の出来ない南北の深い溝が、何度も登場する「帰らざる橋」に象徴されています。

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3 月 10

511kspxa23l.jpgスティーブン・キング原作のホラー小説を、鬼才キューブリック監督が映画化した傑作ホラー。

出演:ジャック・ニコルソン、シェリー・デュバル、ダニー・ロイド、スキャットマン・クローザース、バリー・ネルソンほか
音楽:ベラ・バートック、ウェンディ・カーロス
脚本:スタンリー・キューブリック
監督:スタンリー・キューブリック


所謂ホラーでは怖いと思う事は殆どないのですが、この作品は純粋に”恐怖”を感じる数少ない作品の一つ。

何よりまずジャック・ニコルソンのキレっぷりが凄い。
徐々にホテルに精神を蝕まれ、狂気を帯びていくその瞳や表情など、まさに名演。
本当に演技なのか疑ってしまうほどです。
特に、あまりにも有名な斧でこじ開けたドアから部屋の中を覗き込むシーンでのキレ具合は、もう感動的ですらあります。
そして、何故か被害者側のはずのシェリー・デュバルの絶叫シーンもその顔だけで十分にホラー。
むしろこっちの方が怖いくらい。
子役のダニー・ロイドのミステリアスな存在感も見事。
迷宮のような巨大ホテルの中で、ほぼこの3人だけしか登場しないにも関わらず、一切ダレる事はありません。

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3 月 7

zoolander.jpg男性スーパー・モデルである主人公が巨大な陰謀に巻き込まれていく姿を描いたおバカコメディ。

出演:ベン・スティラー、オーウェン・ウィルソン、クリスティーン・テイラー、ウィル・フェレル、ミラ・ジョヴォヴィッチほか
音楽:デヴィッド・アーノルド
脚本:ベン・スティラー
監督:ベン・スティラー


「おバカな作品を一つ挙げよ」

と言われたら、瞬時にこの作品を挙げると思います。
ベン・スティラーって日本では結構過小評価されてるように思いますが、あのバカっぷりはそうそう真似出来るものではありません。
この作品は、そのバカさが最大限に発揮された作品と言っても過言ではないくらいおバカなシーンの連続。
と言うか、そういうシーンしかありません。

洗脳でスーパーモデルを暗殺者に仕立て上げるという設定からして笑えますが、そのスーパーモデルというのがベン・スティラーとオーウェン・ウィルソン。
「ブルー・スティール」や「フェラーリ」、そして「マグナム」(どれも一緒にしか見えない)と大層な名前を付けたベン・スティラーのキメ顔と、2人のウォーキング対決が素敵すぎです。
随所に盛り込まれた有名映画のパロディ・シーンも楽しいし、ワム!、マイケル・ジャクソン、フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッドなど80年代のヒット曲がバンバンかかるのもポイント高し。

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3 月 1

51xhdzsh37l.jpgバンドをクビになった男がひょんなことからエリート小学校の教員となり、管理教育に漬かりきった生徒たちに“ロックの精神”をたたき込む痛快ロックンロール・コメディ。

出演:ジャック・ブラック、ジョーン・キューザック、マイク・ホワイト、サラ・シルヴァーマンほか
音楽:クレイグ・ウェドレン
脚本:マイク・ホワイト
監督:リチャード・リンクレイター


映画館で観て、レンタルで借りて見て、DVDで買って見て、それでもやっぱり最高だと思える傑作。

ロックを映画として、デフォルメはありつつもここまで大衆に分かる形で表現した事だけでも素晴らしいのに、この作品は子供たちからの視点だけではなく、大人の視点からも生きる上での苦悩や後悔、そして夢や希望といった人生そのものを、正直に、そしてユーモラスに描いています。
そこにまず拍手を贈りたい。
ストーリーやキャラクターそのものの掘り下げはそれ程深くないんですが、それも当然。
だってシリアス・ドラマじゃないですから。

だからこそ、決してロック好きじゃないと楽しめない作品ではなく、ロックを全く知らなくても楽しめる作品に仕上がっています。
その上で、子供が見ても、大人が見ても楽しめる事請け合い。
案外この映画をきっかけにロックに目覚めたりして。
それ程リチャード・リンクレイターの演出のバランス感覚は見事です。

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11 月 19

斬新なトリックと壮絶な残酷描写で世界的に大ヒットしたシチュエーション・スリラー「SAW-ソウ-」「SAW2」に続くシリーズ第3弾。
出演は「グッドフェローズ」「SAW」シリーズのトビン・ベル、「アイランド」「SAW」シリーズのショウニー・スミス、「ブレイブハート」「タイタス」のアンガス・マクファーデン、「クラッシュ」「M:i:III」のバハー・スーメク、「スターシップ・トゥルーパーズ」「SAW」シリーズのディナ・メイヤーなど。
監督は前作に引き続きダーレン・リン・バウズマン。
シリーズの生みの親ジェームズ・ワンとリー・ワネルは原案・脚本・製作総指揮を担当。

やはりシリーズの原点となった1作目は、低予算&初監督、18日という限られた撮影日数と緊張感、そして「映画を作る」事への純粋な熱意によって生み出された奇跡的な傑作だった。
この「SAW3」を見終わった時、そう思いました。

前作よりは脚本も練られていて完成度としては高いものに仕上がっていましたが、1作目が持っていた独特の緊張感や恐怖感というものはもう感じられませんでした。
まるで別の作品かのように作風が違っていましたね。
それは、この「SAW3」の主人公が、これまでのように被害者たちではなく、ジグソウであるというのが大きな要因だと思います。

そう、つまり今回はジグソウの物語なんです。
1作目や2作目で明かされなかった謎(アダムはどうなったのか?共犯者がいたのではないか?犯行の舞台裏etc…)が明かされ、ジグソウの人間的な部分に焦点を当てて描かれています。
勿論、新たにゲームに参加させられる被害者たちも登場しますが、あくまで脇役でしかありません。
その為、過去最高に痛いシーンがどれだけ出てこようと緊張感も恐怖感も希薄。
ジグソウという犯人が謎めいた存在であるからこそ保たれていた世界観の変化は、僕はマイナスだったと思います。

<以下、ネタバレあり>

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10 月 30

傑作スリラー「SAW-ソウ-」の続編。
出演は、元ニュー・キッズ・オン・ザ・ブロックであり、マーク・ウォルバーグの兄である「バンド・オブ・ブラザーズ」「ドリームキャッチャー」のドニー・ウォルバーグ、「SAW」「アイランド」のショウニー・スミス、「クイック&デッド」「SAW」のトビン・ベル、「スターシップ・トゥルーパーズ」「ワイルドシングス3」のダイナ・メイヤー、「コンフィデンス」「ワンダーランド」のフランキーGなど。
監督・脚本はこれがデビュー作となるダーレン・リン・バウズマン。
今回リー・ワネルは製作総指揮と脚本を、ジェームズ・ワンは製作総指揮を担当。

<ややネタバレありです>

あの衝撃から1年。
予想以上に早く続編が登場した事に大いなる喜びと興奮、そして不安を感じていました。
その不安の原因は、続編というものが特にサスペンスにおいて殆どと言っていいほど成功例がないという事。

しかもこの「SAW」のように一作目の完成度が高ければ高い程、続編に求められるクオリティは当然シビアなものになります。

その上で果たして前作を超える衝撃を感じられるか。

それが制作側にとっても観客側にとっても最大のポイントだったと思います。

結論から言うと、残念ながら前作を超えてはいませんでした。
前作はメインとなる被害者が2人である事、そして終始身動きが取れないという設定によって、全編を凄まじい緊張感と絶望感が覆っていましたが、今回は被害者が8人。

なおかつ、前作とは対照的に、閉鎖的な空間ではあるもののある程度自由に動き回れる事によって、あの息苦しさを感じる程の緊迫した心理戦の空気感が薄くなってしまっていました。
これは作品内の「色」にも言える事かも知れません。

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10 月 28

行って来ましたSAWの試写会!
結論から言うと、かなりおもしろかったです。

ただ感想を全て書くとネタバレになってしまうので、重要なポイントはつづきに書きます。

<ストーリー>
目がさめるとそこはだだっ広いバスルームのような部屋。
自分の足は太いチェーンで部屋の隅につながれている。
部屋の対角線上には見知らぬ男が同じようにつながれている。

そして恐ろしいことに、二人の中間点、部屋の中央部には、頭を打ち抜かれうつぶせに倒れた死体が横たわっていた。

なぜこんな場所にいるのか、さっぱりわからないまま、二人に「6時間以内に相手を殺さないと、2人とも死ぬ」とのメッセージが告げられる…。

とにかく、たった18日で撮影された低予算&初監督作品とは思えないほどの完成度!
細かなプロットやカメラワーク、音楽全てが観る者の恐怖感を煽る煽る。
間違いなく今年最高のサスペンスのひとつだと断言出来ます。
作品のタイプ的には当初予想していた「CUBE+es」という感じではなく、「セブン+es」でした(ずっとバスルームだけかと思ってた)。

R-15だけあって結構グロいシーンもあったんですが、全米公開版から何箇所かカットされてるとか?
日本で全米公開版が上映されたのは東京国際映画祭のみらしいです。

セル発売時には絶対に全米公開版でリリースしてほしいもんです。

まずこの作品のポイントは主人公が被害者だという事。
普通サスペンスやミステリーは刑事(探偵)もしくは犯人が主人公。

それをあえて被害者を主人公にし、なおかつもう一つの裏のストーリーの主人公に刑事を配する事で、観客に主人公の精神的、肉体的な苦痛や緊迫感を味あわせながら事件の真相に近づかせるという大胆な楽しみ方を提示しています。
実は、それもあってミステリーとしてはある意味「なし」な展開なのですが、サスペンス、映画としてはかなり「あり」だと思います。

さらにタイムリミットがあるという緊張感と、脱出する為の謎を解くというゲーム的なおもしろさに加え、真っ白なバスルームと黒ベースの外の世界との対比、ナイン・インチ・ネイルズのチャーリー・クロウザーによる不気味なインダストリアル・サウンドがこの映画の質を高めています。

以下、ちょっとだけネタバレかも。

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