チャーリーとチョコレート工場

charlie_and_the_chocolate_factory1.jpg1964年に出版されて以来、世界中で愛され続けているロアルド・ダールの大ベスト・セラー「チョコレート工場の秘密」を、1971年の「夢のチョコレート工場」に続き映画化した作品。

出演:ジョニー・デップ、フレディ・ハイモア、デイビッド・ケリー、ヘレナ・ボナム=カーター、クリストファー・リー、ノア・テイラー、アンナソフィア・ロブ、ジュリア・ウィンター、ジョーダン・フライ、フィリップ・ウィーグラッツほか
音楽:ダニー・エルフマン
脚本:ジョン・オーガスト
監督:ティム・バートン



ティム・バートン&ジョニー・デップ作品に外れなし。

オープニングから一気に目くるめく夢の世界に引き込まれ、エンディングまでがアッという間。
ティム・バートンらしさ全開の毒々しい(勿論良い意味で)までのカラフルでファンタジックな映像、「ネバーランド」とは正反対のまさに本領発揮と言えるジョニー・デップのエキセントリックな演技、フレディ・ハイモアの一点の曇りも無く輝いた笑顔、そしてダニー・エルフマンによる映像と一体化したファニーでコミカルな音楽。
全てがまるでアトラクションに乗っているかのような驚きと楽しさ、オリジナリティに満ちていて、社会への様々な批判や皮肉をブラック・ユーモアとして盛り込みながらも、見事にあくまで子供から大人まで楽しめる一大エンタテインメントに仕上がっています。

ローズ・イン・タイドランド

tideland.jpg「不思議の国のアリス」を下敷きに、一人の少女のグロテスクな空想世界を独特の乾いたタッチで綴ったミッチ・カリンの異色ファンタジー「タイドランド」を映像化した作品。

出演:ジョデル・フェルランド、ジェフ・ブリッジス、ジェニファー・ティリー、ジャネット・マクティア、ブレンダン・フレッチャーほか
音楽:マイケル・ダナ、ジェフ・ダナ
脚本:テリー・ギリアム、トニー・グリゾーニ
監督:テリー・ギリアム


明らかに「不思議の国のアリス」にインスパイアされた作品ではあるのですが、思っていたほどファンタジーではなく、むしろ非常に現実的な作品。

主人公ローズの純粋であるが故の美しさと残酷さ、社会から孤立した者たちの孤独。
冷静に見ると悲惨で不条理なストーリーなのに、それが全く陰鬱になってないのは時にコミカルにさえ映るテリー・ギリアムの独特の世界観によるところが大きいのでしょう。
これまでの作品同様、元モンティ・パイソンだけあってやはり一筋縄ではいきません。

レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語

51dkw6m6y5l.jpg40言語に翻訳され、全世界で3000万部以上を売り上げた謎の小説家レモニー・スニケットのベストセラー「世にも不幸なできごと」シリーズを映画化したファンタジー。

出演:エミリー・ブラウニング、リアム・エイケン、カラ・ホフマン、シェルビー・ホフマン、ジム・キャリー、ジュード・ロウ、メリル・ストリープ、ティモシー・スポール、キャサリン・オハラほか
音楽:トーマス・ニューマン
脚本:ロバート・ゴードン
監督:ブラッド・シルバーリング


ファンタジーというジャンルは、ストーリーは勿論の事、その世界観がとても重要になってきます。
キャラクター、デザイン、色彩、音楽。
それらのオリジナリティとクオリティ次第で、いくらストーリーや俳優の演技が良くても台無しになってしまう可能性があります。
しかし、この作品の世界観は文句のつけようが無いほどの素晴らしさ。
特に、衣装や建物、背景の随所に感じられるゴス要素の取り入れ方。
そのセンスの良さはエンド・ロール(かなり長かったですが…)に集約されています。
あのエンド・ロールからだけでも、この作品が他の作品と一線を画す事は簡単に見て取れるでしょう。

勿論、俳優たちの演技も素晴らしく、特にジム・キャリーは持ち前の芸達者振りで胡散臭いオラフ伯爵をシアトリカルに演じています。
主人公である3姉弟妹を演じた3人(4人か)もそれに負けない存在感を持っているので、決してジム・キャリーの独り舞台にはなっていません。
メリル・ストリープの登場シーンでは、流石に迫力に押され気味でしたが。

パンズ・ラビリンス

pans_labyrinth-poster.jpgスペイン内戦を背景に、少女の成長と幻想世界での冒険を描いたダーク・ファンタジー。

出演:イバナ・バケロ、セルジ・ロペス、マリベル・ベルドゥ、ダグ・ジョーンズ、アリアドナ・ヒルほか
音楽:ハビエル・ナバレテ
脚本:ギレルモ・デル・トロ
監督:ギレルモ・デル・トロ

まだ撮影してた頃から楽しみにしていた「パンズ・ラビリンス」。
世界各国で公開され絶賛されるも、日本ではなかなか公開されず、ようやく観る事が出来たのは2007年の10月(2006年作品)。
しかし、待っただけの甲斐はある、素晴らしいイマジネーションとメッセージに満ち溢れた作品でした。

作りとしては一応ファンタジーの体裁をとっていはいますが、「ロード・オブ・ザ・リング」や「ハリー・ポッター」などの、所謂誰もがイメージするようなファンタジーとは根本的に別物。
ファンタジーを取り入れた戦争ドラマと言っても良いでしょう。
この作品でベースとなっているのは、あくまでもファシストが支配する内戦下の残酷な現実世界であり、主人公オフェリアはそんな目を背けたくなるような夢も希望もない現実と、目も眩むような妖しく美しい幻想世界を行き来します。
試練を乗り越えれば何かが変わると信じながら。

ミリオンズ

ある日突然大金を拾った幼い兄弟が、その使い道に頭を悩ませる姿をスタイリッシュな映像とほのぼのとしたタッチで綴ったファンタジー・ドラマ。
出演はアレックス・エテル、ルイス・オーウェン・マクギボン、「ウェイクアップ!ネッド」「ブラディ・サンデー」のジェームズ・ネスビット、デイジー・ドノヴァン、「D-TOX」「戦場のアリア」のクリストファー・フルフォードなど。
監督は「トレインスポッティング」「28日後…」のダニー・ボイル。

ダニー・ボイルが「自分の子供に見せたい作品を作りたかった」と語った通り、どこまでも純粋で真っ直ぐな主人公の少年を軸に、ドラマ、コメディ、アドベンチャーが上手く絡み合った良作でした。
ダニー・ボイルらしいスタイリッシュな映像とテンポの良い展開は相変わらずでしたが、今作は守護天使が出てきたりするファンタジックな要素やポップな色彩感覚も含め、何処か寓話的な雰囲気を持たせた作品の雰囲気がややティム・バートンっぽかったです。
12日後にポンドからユーロへと通貨が切り替わるという現実味のある設定も、作品に適度なリアリティ
とスピード感を与えていましたね。

キリスト教マニアの信心深い弟ダミアンと現実主義者で悪知恵が働く兄アンソニー、そして、彼らを取り巻く大人たちの対比を明瞭にしながらも、どこまでも無垢なダミアンの目線を通して、お金とは何なのか、何故人を変えてしまうのかをコミカルに描き出したこの作品は、教訓めいた物語にも関わらず説教臭さよりも心地良さが先行する不思議な印象。
絵本を読んでいるような感覚に近いかも知れません。

ダニー・ボイルのセンスの良さを再確認した作品。
劇中でMUSEの”Blackout”を使うなんてなかなかニクイ。

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