3 月 17

dawnofthedead.jpgジョージ・A・ロメロのリビングデッド3部作の第2作である歴史的傑作「ゾンビ」をリメイクしたサバイバル・ホラー・ムービー。

出演:サラ・ポーリー、ヴィング・レームズ、ジェイク・ウェバー、メキー・ファイファー、タイ・バーレル、スコット・H・ライニガー、ケン・フォリー、トム・サヴィーニほか
音楽:タイラー・ベイツ
脚本:ジェームズ・ガン
監督:ザック・スナイダー


リメイクというものは、オリジナルを継承しつつも新しい何かを加えなければ意味がありません。
単に映像が綺麗だとか、ヴィジュアル面がリアルになったとか、それだけならリメイクとしての価値はゼロ。
最近はホラーの世界でもリメイク・ブームですが、成功しているとは言い難い作品が殆どです。
しかし、この作品はその中でも珍しい成功例の一つ。

オリジナルの「ゾンビ」が大量消費社会への批判を織り込みながら、滅びゆく人間社会を緩やかに描いていたのに対し、この「ドーン・オブ・ザ・デッド」が描いたのは救いなど皆無の絶対的な絶望感。
とにかく展開もゾンビも速い。
襲い来るゾンビの大群とその感染力をゾンビ映画史上最速で描く事で、生き残る事など絶対不可能に思える世界の終焉と言える状況を作り出し、しかしその中でも尚生き延びようとする人間の無力さと強さを圧倒的な迫力で見る者に突きつけてきます。
オリジナルにあった社会批判などのメッセージ性はほぼ原形を留めていませんが、ゾンビという得体の知れないものが襲ってくるという、ある意味恐怖の原点に立ち返った作風には潔さすら感じます。

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3 月 3

livingdead-1.jpgホラー映画の新たな次元を切り開いたジョージ・A・ロメロの処女作にしてリビングデッド3部作の記念すべき第1作目。

出演:ジュディス・オディア、デュアン・ジョーンズ、カール・ハードマン、キース・ウェイン、ジュディス・リドリーほか
脚本:ジョン・A・ルッソ
監督:ジョージ・A・ロメロ


名作と呼ばれる理由を、無言でじわじわと突きつけてくるかのような孤高の雰囲気がこの作品にはあります。
この不条理さ、虚無感、一切の希望を感じさせない救いの無さは最近のホラーでは味わえない感覚。
確かにスプラッター・ブーム以降を見慣れた目には残酷描写のショッキングさはあまり感じませんし、自主制作だけあってチープな所も目に付くのですが、それを補って余りある独特の雰囲気は特別なものを感じますね。
黒人の市民権運動やベトナム戦争など1968年当時の社会的背景を反映させ、皮肉ったテーマが根底にある事もその大きな要因でしょう。
その衝撃的なラストは、個人の戦いや死は大きな争いの一部でしかない事を見る者に痛烈に突きつけてきます。
リアルタイムで観た当時の人々にはどう映ったのでしょうか。

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