エレファント

コロンバイン高校の銃乱射事件をテーマに、「グッド・ウィル・ハンティング」のガス・ヴァン・サント監督が創り上げ、2003年のカンヌ国際映画祭でパルムドールと監督賞を受賞した作品。

映画には大きく分けてエンタテインメント性を重視したものと、表現を重視したものがあるとするなら、この作品は間違いなく後者。
“娯楽”を求める人にはとても薦められない。

過剰な演出を排したノンフィクション的なアプローチに静かに折り重なるベートーヴェンのピアノソナタの旋律。
ありふれた日常。
ありふれた風景。
ありふれた生活。

淡々とした映像で学生たちを追う内にいつの間にか何気ない学校の風景や喧騒が積み重ねられ、いつしかそこには何処にでもある学校生活が浮かび上がってくる。
しかし、悲劇はその何処にでもありふれた空間で起きた。

あまりにその風景はありふれていて胸が痛かった。

この作品には犯行の理由付けはない。

ただ結果があるだけ。
敢えてそこを描かない事によって提起された問題に僕達は何を考えるのか。

あまりにもリアルな哀しさと苦しさ、切なさ、そして恐れが体を押し潰しそうになった。


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コメント

  1. しろの木 says:

    その引き金を引かせたのは… 『Elephant』

    「今日で死ぬんだな」
    「楽しもうぜ」

    コロンバイン高校銃乱射事件を基とする作品。

    前半は犯人生徒も含めた何人かを個別に追っていき事件当時、彼等はドコでその最初の銃声を聞いたのか…をワンカット撮影、ザッピング効果を多用しながら見事に配置していく。

    「今日で死ぬんだな」
    「楽しもうぜ」

    コロンバイン高校銃乱射事件を基とする作品。

    前半は犯人生徒も含めた何人かを個別に追っていき事件当時、彼等はドコでその最初の銃声を聞いたのか…をワンカット撮影、ザッピング効果を多用しながら見事に配置していく。

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