LOVERS

金城武、アンディ・ラウ、チャン・ツィイー共演した、「HERO」のチャン・イーモウ監督最新作。
ちなみにこの作品、原題、洋題、邦題全てが違う意味。
原題は「十面理伏」、洋題は「HOUSE OF FLYING DAGGERS」。
「十面理伏」は“逃げ場がない”という意味らしいです。

「HERO」は幻想的な映像で魅了してくれた作品でしたが、この「LOVERS」の映像美はそれ以上でした。
「HERO」が墨のような黒を基調にしていたのに対して、「LOVERS」は緑、赤、青、黄など自然の四季を彩る色をふんだんに使い、アジア特有の風景を見事に描いていました。
これだけ原色を使えば派手になりすぎてくどくなりがちですが、それぞれの色がお互いを引き立て合い、より美しく、より鮮やかに際立たせていました。
これには本当に感心しましたね。
画面の端から端まで完璧に計算し尽くされているかのような、それでいて決して人工的ではない美しさが作品全体に溢れていました。
ストーリー自体は「HERO」同様どうって事はないのですが、この映像美の為だけにでも見る価値はありますね。

金城武って日本の作品で見ると日本語のたどたどしさが気になってあまり良い印象ないんですが、この「LOVERS」での演技は非常に良かったと思います。
こういう時代物の方があの顔立ちに合ってる気がするのは僕だけでしょうか。
アンディ・ラウは相変わらず素晴らしい存在感でした。
あの目の演技はさすがベテランって感じですね。
ラストの表情はとても切なくなりました。
チャン・ツィイーはそんなに好きな女優さんではありませんがとにかく動きの1つ1つが恐ろしく綺麗でした。
動きのどの瞬間を切り取っても全て“美”を感じさせる、そんな演技でしたね。
撮影は相当大変だったらしいですが…。


この作品で唯一「勿体無いなぁ」と思ったのは、ラストの雪景色に変わっていくシーンですね。
撮影当日に大雪が降り出して急遽設定を雪景色での戦いへ変更したそうですが、そのせいか雪が降っていないところに雪が降ってくるシーンがCGで描かれています。
これを見た瞬間ちょっと醒めてしまいました。
せっかく計算し尽くされた映像を積み重ねてここまで来たのに、いきなり安っぽいCGが出て来るのはちょっと頂けません。
まぁ他に手がなかったのかも知れませんが、それならもう少しCGのクオリティを上げて欲しかったですね。
あそこだけ明らかにタッチが違いますから。
そこだけが本当に残念でした。


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