隠し剣 鬼の爪

藤沢周平の短編時代劇小説「隠し剣 鬼ノ爪」と「雪明かり」を、前作「たそがれ清兵衛」が日本映画として22年ぶりにアカデミー外国語映画賞にノミネートされた山田洋次が映画化した時代劇。

原作も読んでなければ、同じ藤沢周平原作の前作「たそがれ清兵衛」も見てません。
「たそがれ清兵衛」はいつか見たいと思ってたんですが、結局この「隠し剣 鬼の爪」の方を先に見る事になってしまいました。

時代劇って嫌いじゃないんですけど、どうしてもテレビのあのチープなイメージが強くてあまり自分からすすんでは見ないんですが、この作品は良かったですね。
衣装やセットは勿論、道端の草花に至るまで全て計算し尽くされていて、尚且つそれを自然に見せるかのような、監督の美意識と拘りをかなり感じました。
永瀬正敏、松たか子ら出演者の演技も個性を強く押し出すわけじゃなく、そっとそのシーンに寄り添うような、儚さや優しさ、美しさや繊細さといったものに細心の注意を払っていたような気がします。

分かりやすく言うと前半ドラマ、後半アクション、みたいな感じなんですが、そう一筋縄で括れる単純な物語ではなく、武家社会(=現代社会ともとれる)批判なんかもしっかりあって、僕の中にあった時代劇のイメージとはかなり違いましたね。
最後の方は若干「必殺仕事人」が頭に浮かびましたが…。

特別感動するわけでも、娯楽作とも言えない作品ですが、全編に溢れる優しさがじんわり心に染みてきました。


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