誰も知らない

1988年に東京で実際に起きた「巣鴨子供置き去り事件」をモチーフに、「ワンダフルライフ」「ディスタンス」の是枝裕和が撮影に1年以上をかけて作り上げた作品。
長男を演じた柳楽優弥が、カンヌ映画祭で最優秀男優賞を史上最年少で受賞したのは記憶に新しい。

約2時間半という長時間の作品だったので、多少疲れはしましたが、ダレる事はなかったです。
派手な演出も、展開も、音楽もない作品に、ここまで惹き付けられた要因は何だったんでしょう。

やはり、それは子供達の純粋な瞳や表情、足音、笑い声だったんだと思います。

カンヌでの受賞が大きく報道された事もあり、この作品を見る殆どの人が、まず柳楽優弥の演技に注目すると思います。
無邪気な笑顔を見せたかと思えば、後半ではぎらついた鋭い眼光も見せる。
確かに存在感がありました。

でも、柳楽優弥以外の子供達も含めて、これってどこまでが「演技」なのかな?と思ってしまいました。
何と言うか、ほとんど「素」なんですよね。

あまりに自然体。
前半なんかは特にそういう雰囲気が強くて、ドキュメンタリーを見てるような感覚に囚われてしまいました。
後半では「演技」を覚えてきたのか、やや演技っぽく見える所もありましたけど。
きっとそういう撮り方をしたんだと思いますが、もしそうだとすれば柳楽優弥ではなく、スタッフか作品に対して賞を贈るべきでしたね。

ここまで子供達を自然体でフィルムに収め、ひとつの作品に仕上げた仕事ぶりは素晴らしいと思います。
そんな「素」な子供達と、大人の役者達の「演技」にギャップを感じてしまう場面が少なからずあったのは残念でしたが。


絶望的な状況下にありながらも、無邪気さと明るさを失わず、母親が帰ってくるのを信じて待っている子供達。

そんな彼らが厳しい現実に、傷つき、苛立ち、次第に気力を失っていく様子は見ていて痛々しかったです。

この作品は柳楽優弥自身の成長の記録でもあり、同時に、今後彼が2度と表現出来ないであろう、「素」と「演技」の狭間を揺れ動く瞬間を捉えたものとして稀有な作品だと思います。
ただ、エンタテインメント性はかなり薄いので、見るにはそれなりの覚悟がいるかも。

実際の事件の顛末はこのページの真ん中あたりで読む事が出来ます。
作品をご覧になった方は読む事をお薦めします。


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コメント

  1. のりやす says:

    元気ですょ~☆
    首のしこり…ってちょっと怖いですね。

    近くのビー○イ行ったんですが『Saw』全部貸し出し中でした(~-~;)話題作みたいですね。
    『SWING GIRLS』も全滅で、代わりに『God Diva』借りてきました。こっちはあんまり人気ないみたいですね(;_;)散々メディアで宣伝してた割に…

  2. sin says:

    元気でなによりやね♪

    近くのビー○イって堀川?
    「SAW-ソウ-」は劇場で観てる人があんまりいないから、レンタルになった今頃話題になり出してるみたい。
    うちの店もかなりプッシュしたせいか常に貸出中…。
    「ゴッド・ディーバ」は映像的な見応えはあるかな。
    ほぼアニメやけど(苦笑)
    感想は<リンク:http://yaplog.jp/imagination/archive/206>こちら

  3. のりやす says:

    堀川ですょ。

    『God Diva』、自分がイメージしてたのとかなり違いました(-.-;)映像が凄いだけにもったいないですね~。
    それにしても、CGの議員と女の人はいらないのでは…(;_;)せめてそこは実写の方が…

    『SAW』、『SEVEN』の監督なんですね☆
    いつになったら借りれるのやら…

    『ディスタンス』、朝日会館に観に行った時に是枝監督来てましたょ。
    公開前に雑誌(『SWITCH』など)で内容が話題になってたみたいで、映画が終ってからディスカッションがありました。

  4. sin says:

    堀川かぁ、うちの店来たらメタルいっぱい借りられるのに(笑)
    堀川まだ行った事ないけど。

    「ゴッド・ディーバ」は確かに俺も期待してたのとは違ったなぁ。
    ゲームのムービーシーンみたいなんの連続やし…。
    嫌いではないだけに勿体なぁと。

    「SAW-ソウ-」は「セブン」の監督じゃないよ。
    「セブン」はデヴィッド・フィンチャーやろ?
    かなり影響は受けてるけどね。
    根気良く通って下さい(笑)
    もしくは買うか、やね。
    買っても損は無い作品やで。

    「ディスタンス」とか他の是枝作品は見た事ないねんなぁ。
    また機会があれば見てみるわ♪
    機会と言うか、時間か(苦笑)

  5. リリー says:

    こん{ハッピー} TBコメント ありが㌧
    ブログリスト 全然OKだよん{ルンルン}
    うちは勝手に登録しちゃってたけど・・・w

    それにしてもこの映画よくよく考えてみると 悲惨なはなしだよね 私にはとても耐えらんない状況・・・・

  6. のりやす says:

    あ、製作が『SEVEN』ですね(∋_∈)
    気に入った俳優がいたら買うかもしれないです☆
     
     
    堀川はメタル少ないですよ~。プログレはさらに少ないです…(ToT)
    充実してると言えばAVコーナーに変なもんいっぱい売ってます(悲)

  7. Extremelife says:

    誰も知らない

    「ワンダフルライフ」「ディスタンス」の是枝裕和監督が、1988年に実際に起きた事件「西巣鴨子供4人置き去り事件」をモチーフに映画化した人間ドラマ。母親に置き去りにされた4人の子供たちが、大人たちに知られることなく、兄妹たちだけで生きていく姿を丁寧な筆致で描…

  8. sin says:

    >リリーさん
    ありがとうございます♪
    僕の方は全然OKです(笑)
    「誰も知らない」、と言うか、実際の事件にはほんとに胸が締め付けられますね。

    >のりやすくん
    「SAW-ソウ-」は有名な人ほとんど出てないよ。
    「リーサル・ウェポン」シリーズのダニー・グローヴァーくらいかな。
    まぁ是非見てちょうだいな。

  9. 忍者 says:

    こんな内容だったのか。カンヌでの受賞の話題ばかりで、中身を全然知りませんでした。しかし、最近の事件は、ひどい物が多い。人間、刺激が多すぎて、心が麻痺してきているんだろうか。{どくろ}

    先日、北九州市の監禁・殺人事件の裁判で明らかになった、事件の内容をニュース番組で見ました。小説か映画じゃないのか?ってくらい、想像を超えた事件だったようです。{ショック}

  10. sin says:

    忍者さん、どうもです。
    実際の事件はかなり痛ましいものだったみたいですが、この作品は変な言い方ですが、若干明るく描かれています。
    その分、子供達の心を想ってしまってつらい面もあるんですが。

    いつの時代も犠牲になるのは社会的立場の弱い者ですね。
    苛立ちを感じます。

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