香港国際警察/NEW POLICE STORY

香港・中国合作映画史上No.1の興行収入を記録した、ジャッキー・チェンの香港完全復帰作は、ジャッキーが自身の最高傑作と断言する「ポリス・ストーリー」シリーズの最新作。
ジャッキーは主演は勿論、製作総指揮、アクション監督も担当。
監督は「WHO AM I？」のベニー・チャン。

「ラッシュアワー」シリーズや「シャンハイ・ヌーン」シリーズなど、ハリウッドに渡ってからのジャッキー作品は、ジャッキーの持ち味であるアクションとコメディの要素を絶妙に融合させ、子供から大人まで誰にでも気軽に楽しめるエンタテインメント作品として、そしてジャッキーの一つの方向性として成功と言えるものだったと思います。
昔からのジャッキー・ファンは物足りなさ(特にアクションの面で)を感じていたかも知れませんが、僕はあれはあれで結構ジャッキーの良さが出ていて好きでした。
「メダリオン」「80デイズ」はちょっとダメでしたけど。
その前2作が期待外れだっただけに、香港復帰作、その上「ポリス・ストーリー」の名がついているこの作品には大いに期待してました。
と言うか、期待するなという方が無理ってもんです。

結果、その期待を上回る作品でした。
内容的には、これまでのジャッキー作品随一と言える程シリアスなドラマを伴った作品なのですが、そこがまた良かったです。
これで昔の作品の焼き直し的なものだったらここまで楽しめなかったでしょうね。
犯罪の若年齢化という社会問題や、これまであまりスポットを当てていなかった恋愛ドラマの要素を取り入れ、ハリウッドでの経験と年齢を重ねた事で深みを増した人間臭い演技、全盛期と比べると衰えを感じるものの、相変わらずの切れ味を見せるアクションの両方を楽しめる力作です。
衰えを感じると書きましたが、50歳を過ぎてなお、100メートルくらいありそうなビルの壁面を垂直に下ったり、繁華街を暴走するバスを止めようとしたりと「いい加減にしとかんとほんま死ぬで」と言いたくなるような、常人には到底真似出来ない無茶なアクションをやってのける根性には頭が下がります。
うちの父親と同い年なんですけどねぇ(苦笑)

そして、今回はジャッキーの一人舞台ではなく、脇を固める若手俳優たちの頑張りが光っている点も特筆すべきポイント。
ジャッキーと同じスタントなしのアクションシーンに挑戦したニコラス・ツェーをはじめ、敵のボス役ダニエル・ウー、この作品が復帰作となるチャーリー・ヤン、TWINSのシャーリーン・チョイなど、これからの香港映画界を担う役者たちがジャッキーに負けじと作品を盛り上げています。

ファンにはお馴染みのエンドロールでのNG集もあり、ジャッキー好き必見の作品と言えると思います。
もうすぐデジタル・リマスターでDVD化される「プロジェクトA」や「ポリス・ストーリー」が楽しみですね。

香港国際警察/NEW POLICE STORY

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