第一次世界大戦下のフランスを舞台に、生死不明の恋人を捜し続ける女性の姿を描いたミステリー・タッチのラヴ・ストーリー。
主演は「アメリ」「スパニッシュ・アパートメント」のオドレイ・トトゥ。
共演に「ジェヴォーダンの獣」「かげろう」のギャスパー・ウリエル、「羊たちの沈黙」「パニック・ルーム」のジョディ・フォスターなど。
監督は「アメリ」「ロスト・チルドレン」「エイリアン4」などで知られるジャン=ピエール・ジュネ。
ある種寓話的な物語の中心になるのは運命に導かれた男女のラヴ・ストーリー。
決して目新しいストーリーではないのですが、ミステリー・タッチで描いている事や、そこに絡む第一次世界大戦の戦闘シーンや、登場人物たちの様々なサイドストーリーがこの作品をありきたりではないものにしています。
特に「プライベート・ライアン」を思い起こすほどの凄惨な戦闘シーンは、製作費のほとんどを費やしたんじゃないかと思うほどの迫力で、甘くなりがちなラヴ・ストーリーをうまく引き締めていました。
適度に笑いもあって、甘すぎず重すぎず、バランスのとれた印象を受けました。
独特の映像美で知られるジャン=ピエール・ジュネだけに、この作品も映像面は大きな見所の一つ。
2人の思い出の場所である灯台や駅構内の巨大な時計、野戦病院内に浮かぶ飛行船などの目を惹くセットと、それを包み込むかのようなフランスの広大な自然の景色がほんとに美しかったです。
アンティークのようなセピア色のフィルターをかけた色彩感覚や、多彩なカット、アングルなどファンタジックとも言えるその世界観には目を奪われてしまいました。
雨に濡れる暗澹とした戦場が、数年後に美しい花畑へと姿を変えているという象徴的なシーンも忘れられません。
「アメリ」以降様々な役柄に挑戦し、演技の幅を広げてきたオドレイ・トトゥはどこまでも純真な主人公を見事に演じきっていました。
個人的に良くも悪くも少女的なイメージがある女優さんなのですが、この作品ではそれが見事にハマってましたね。
泣いて待ってるヒロインではなく、周りの人たちを巻き込みながら信念に従い積極的に行動するヒロイン。
でも、「夕飯までに犬が来たら彼は生きてる」とか「車より先にカーブに着けば彼は生きて帰る」とか、全く根拠の無い占いみたいなものにすがってしまう弱さも持っていて、そこらへんは結構共感してしまいました。
ギャスパー・ウリエルやジョディ・フォスターをはじめとする脇を固める俳優もみんな良い味出してて、決してオドレイ・トトゥだけの作品になってなかったのも良かったですね。
あと、個人的には音楽を手掛けたのがアンジェロ・バダラメンティだったのも大きなポイント。
「ツイン・ピークス」や「ロスト・ハイウェイ」といったデヴィッド・リンチ作品で有名な作曲家ですが、この作品でも見事に映像と一体化したスコアを書いています。
やっぱりこの人の書く曲は良いですね。
どこか幻想的なミステリアスさを持っていて惹きつけられてしまいます。
残念だったのはナレーションくらいでしょうか。
あそこまでいちいち説明してしまうのはちょっとどうかなと思いました。
まぁそんな事はこの作品の良さに比べたらほんとに些細な事ですけど。
「愛」や「再生」といった幾つものテーマを、ノスタルジックな映像で見事に融合させた素敵な作品です。
ロング・エンゲージメント
『ロング・エンゲージメント』
あらすじ
『第一次大戦下のフランス。軍法会議により死刑を宣告された5人の兵士は、標的かのように敵陣との中間地点に置き去りにされた。その5人の中で最も若い兵士であるマネクにはマチルドという婚約者がいた。終戦後、マチル…
監督:ジャン=ピエール・ジュネ
出演:オドレイ・トトゥ、ギャスパー・ウリエル、ジョディ・フォスター
評価:91点(100点満点)
完璧な映像美に圧倒される2時間13分。
愚直なまでのまっすぐな愛情は最後に奇跡を起こすのか。
アメリの不思議な…
監督:ジャン=ピエール・ジュネ
出演:オドレイ・トトゥ、ギャスパー・ウリエル、ジョディ・フォスター
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『アメリ』のジャン・ピエール・ジュネ監督と
オドレイ・トトゥが再び組んだ、重厚で純粋な愛の物語。
第一次世界大戦で兵士となり、行方不明となった
恋人マネクを、自らの直感を頼りに探し求める女性
マチルドの姿が描かれる。
原作はフランスの著名なミステ…
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激しい空爆と爆破シーンが生々しく臨場感たっぷり・・・一瞬、聴覚を失ったような感覚に陥り、観客は塹壕の中に隠れている兵士のように凍りついた。
戦争の悲惨さ、空襲を受け爆撃されるだけではなく、味方の軍の中にも悪魔が潜んでいるという異様な重苦しさをも表現…
「アメリ」のキャスト・スタッフが再結集したこの作品、予告編の出来が、これまた素晴らしい。ジュネ節満載のラブ・ミステリーとくれば、初日に観に行かないわけには行かない。
「アメリ」コンビが再び。それだけの理由で見に行った作品である。結論から先に言うと、素晴らしい、本当に見事で完成度の高い作品である。勿論「アメリ」も良かったが本作品はそれ以上である。どれくらい素晴らしいかというと、今年スクリーンで観た映画の中では、まだ採…
すいません。
お返事遅れてしまいました(汗)
あの戦争シーンはリアルで迫力ありましたね~!
私も劇場で「プライベート・ライアン」を観た時のことを思い出しました。
映像美もほんと素晴らしかった!音楽もw
所々にユーモアが散りばめられているのもよかったですね☆
いえいえ~♪
生ジェラルド・バトラーどうでしたか?
だいぶ興奮されたようですが(笑)
とんとんさんも「プライベート・ライアン」思い出しましたか!
やっぱりみんな思い出すんでしょうか。
映像美もストーリーもほんとに素敵でしたね♪