アイ・アム・デビッド

強制収容所を脱走した少年が一路デンマークを目指す姿を描いた感動作。
原作はデンマークで1963年に出版され、世界的ベストセラーとなったアン・ホルムの同名小説。
主人公デビッドを演じるのは、「リトル・ダンサー」のスタッフが発掘したベン・ティバー。
共演に、「オーロラの彼方へ」「パッション」のジム・カヴィーゼル、ローレンズ・オリビエ夫人としても知られる「永遠のマリア・カラス」のジョーン・プロウライトなど。
監督はこの作品が初監督となるポール・フェイグ。
音楽はTHE POLICEのスチュアート・コープランド。

何かのトレーラーで知って「見たい!」と思ったら既に公開が終了していたこの作品。

やっと見る事が出来ました。
てっきりヨーロッパ映画だとばっかり思ってたんですが、これアメリカ映画だったんですね。
予想以上にテンポが良くて(時間も90分ほど)最初はやや戸惑ったのですが、随所に溢れる繊細な表現や美しい風景(特に向日葵畑!)、そして主人公デビッドの哀しみを湛えた表情に徐々に引き込まれていきました。
時折フラッシュバックで垣間見えた回想シーンが最後に明かされるのですが、その終わり方がまた良かった。
見事にこの作品のテーマを象徴していました。

とにかく、この作品の一番の見所はデビッドを演じるベン・ティバーのちょっとした表情や瞳の変化。
それはこの演技を引き出した監督の力量が大きいと思いますが、詳しくは語られない強制収容所での厳しい生活や家族のいない寂しさ、他人を信じられない孤独感など、それまでのデビッドの人生全てがそこに表現されていました。
孤独な旅を続けながら行く先々で様々な人に出会い、その温かさに少しずつ笑顔を取り戻していくデビッド。

しかし、決して良い人ばかりに出会うわけではないのがこの作品の良い所。
収容所での辛い記憶を呼び起こすような体験もしながら、決して前へ進む事を諦めず、成長していく姿を描く事によって、よりストーリーの普遍性、デビッドの内面、当時の社会的背景を深く描くことに成功していました。



収容所でデビッドに教えを説くヨハンを演じたジム・カヴィーゼルも良い演技をしていました。
この作品がきっかけとなって「パッション」への出演が決定したそうですが、確かにこの作品でのジム・カヴィーゼルはある種聖人のように見えます。
「オーロラの彼方へ」でのイメージが強いのでしばらくジム・カヴィーゼルだと分かりませんでした…。

傑作とまではいきませんが、心温まる作品である事は間違いありません。

あまり重くなり過ぎないように作られているので家族で見るのもいいかも知れませんね。


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