尊厳死を望む26年間寝たきりの生活を送る主人公と、彼を取り巻く人間たちの姿を描いた感動作。
第77回アカデミー賞外国語映画賞受賞作。
主演は「ダンス・オブ・テロリスト」「夜になる前に」のハビエル・バルデム。
共演にベレン・ルエダ、ロラ・ドゥエニャス、マベル・リベラ、タマル・ノバス、クララ・セグラなど。
監督は「オープン・ユア・アイズ」「アザーズ」のアレハンドロ・アメナーバル。
「生きる事は権利であって、義務ではない」
尊厳死を望む主人公ラモンの言葉が、重く、深く、心に突き刺さりました。
「生きる」とは何なのか。
そして「死ぬ」とは何なのか。
この作品は見る者にそれを静かに問い掛けてきます。
普段から生や死については考える事が多いのですが、この作品には素直に心を動かされました。
それは見終わってから数日間ラモンの表情が頭から離れなかったほど。
死を望むラモンと、彼を愛するが故に彼の意志を尊重しようとする人たち、そして彼を愛するが故に尊厳死を認めない家族。
自分がいずれかの立場になったとしたらどうするだろうかと考え込んでしましました。
これほど真正面から生と死を見据え、美しく、残酷に描いた作品にはなかなか出会えるものではありません。
この作品は実話を基にしたそのストーリー、アレハンドロ・アメナーバルによる過剰な演出を省いた淡々とした描写、リアルな台詞などどれも素晴らしいものでしたが、何より一番素晴らしかったのは主人公ラモンを演じたバビエル・バルデムの演技。
どう見ても本物の老人にしか見えませんでした。
バビエル・バルデムは1969年生まれらしいので、劇中のラモンの年齢とは20歳ほども年齢差があるのですが違和感は皆無。
勿論、メイクの力も大きいのだとは思いますが、話し方や明るさの中に見え隠れする翳りなど、絶妙な間の取り方でしたね。
この作品しか見た事はありませんが、ほんとに素晴らしい俳優さんだと思います。
気軽に薦められる作品ではありませんが、必ず心に何かが残る傑作です。
ポジティブレビュー〔トラックバック〕
原題 「sea inside」がすごく合う映画だなあと思った。
あの爽快感がたまらない。自分を一度殺したあの美しい海に帰る心とはどんなものなのだろう。
ラモンは海の事故で四肢麻痺となり、28年間もの間、寝たきりとなりながらも、兄夫婦や甥、父に支えられ生活してきた…
生きることは義務ではない、権利であるということがいつまでも心に残る作品です。
青年期に海での事故で首から下が付随となったラモン(ハビエル・バルデム)は、26年間ずっと寝たきりで生きてきました。家族は彼を愛し、暖かく手助けしてきましたが、彼はついに死を選…
評価:★7点
監督:アレハンドロ・アメナーバル 主演:ハビエル・バルデム
ベレン・ルエダ2004年 121min
25歳の夏に海にに飛び込んで首の骨を折り、寝たきりになった
ラモン・サンペドロ。彼は弁護士のフリアに「尊厳死」”死を選べるよう”
弁…
【原題】Mar Adentro(英題:THE SEA INSIDE)
【制作年】2004
【制作国】スペイン・イタリア・フランス
【監督】アレハンドロ・アメナハール
【脚本】マテオ・ヒル/アレハンドロ・アメナハール
【主なキャスト】
○ハビエル・バルデム(四肢不随の男:ラモン)
○
2004年アカデミー賞外国語映画賞受賞作。
尊厳死をテーマにしたスペイン映画。
英題は「THE SEA INSIDE」。
約束しよう。
自由になった魂で、
きっとあなたを抱きしめる。
「海を飛ぶ夢」開映11:20@新宿武蔵野館2
「海を飛ぶ夢」 2004年 スペイン・フランス・イタリア
スペイン題 MAR ADENTRO イタリア題 MARE DENTRO 英題 THE SEA INSIDE
配給:東宝東和
監督:アレハンドロ・アメナバール
製作:エミリアーノ・オテ…
第77回アカデミー賞外国語映画賞受賞作。
海に飛び込んで頭を強打し、首から下が不随になってしまったラモン。
その後、26年間もベッドでの生活を続ける彼が、尊厳死を訴え続ける。
『アザーズ』のアレハンドロ・アメナーバル監督が、
生と死という深いテーマに、…
鑑賞:劇場
2005年4月16日 2004/スペイン
監督 アレハンドロ・アメナーバル
出演 ハビエル・バルデム/ベレン・ルエダ/ロラ・ドゥエニャス/マベル・リベラ
原題 “The Sea Inside” “Mar Adentro”
原作 ラモン・サンペドロ「LETTERS FROM HELL」
「…
かなりデリケートな「尊厳死」というのがテーマになっているので、
この映画は人によって見方がかなり違うんじゃないかと思います。
僕は、主人公よりもこの主人公を支え続けて来た家族たちに胸うたれる
ものを感じてしまいました。静かでいい映画です。
全く予…
「生きる」ために死にたい。
CAST:バビエル・バルデム/ベレン・ルエダ 他
アカデミー賞受賞作品にもかかわらず、劇場はガランガラン。年齢層も30代後半から50代の熟年夫婦が多かった。主役のラモンを演じた役者さんはすごかった。実年令より20歳くらい上の人間を演じ…
死をじっくりと見つめた真摯な映画。
生を見つめる心の旅。うちなるODYSSEYー
新宿武蔵野館 4/27
(MAR ADENTRO)(THE SEA INSIDE) 2004年 スペイン
監督,脚本,音楽 アレハンドロ・アメナーバル
出演 ハビエル・バルデム
撮影 ハビエル・アギーレサロベ
公式サイト
アカデミー…
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こんばんわ
スペインでも有名なセクシー俳優さんだそうですよ。
私も、夜になる前にで、初お目見えで、これも問題作でしたが、今回はとにかくこの作品が賞を頂いたおかげで千葉でも劇場で公開になって。嬉しくて、直ぐ劇場行きましたよ。
これと一緒にキングダムオブヘブンを見ちゃったので、しっかりキングダムがかすんで見えました。
素敵な映画でしたよ。
私はこれと、ヒトラーとベンフォスター君がらみでホステージと・・・今年のベストに上げたい映画です。
素敵でしたでしょ。一粒の涙の重さを実感しましたね。
そうなんですか、そう言えば今回の発注でそれっぽいのがありました(笑)
「キングダム・オブ・ヘヴン」も決して悪くないですけど、これと一緒に観たら確かに霞んでしまうかもしれませんね。
とにかくこの作品直球勝負でしたから。
もう店に入荷してきてるんですけど、残念ながら予算の都合でランキングには入れられず…。
でもヒトラーは勝負かけます!
ハビエル・バルデムは本当に素晴らしい役者ですよね、年齢不詳というかそういう事を一切忘れさせる力があると言うか。
TBさせていただきました。
TBありがとうございます!
バビエル・バルデムの演技ほんとに素晴らしかったです。
まさに「演技」でした。
こちらからもTBさせて頂きますね。
こんにちは。最近DVDで見たものです。
本当に、あの言葉は衝撃でしたね。
すっきり感はやはりありませんが、命と言うものが非常に奥深いものであって、誰も正解を出せないからなのかもしれませんね。
TBさせていただきました。
TB&コメントありがとうございます。
この作品は後からズシンと来ますよね。
あの言葉は、この作品だからこそ心に響いたような気がします。