奇談

熱狂的なファンを持つ漫画家、諸星大二郎の代表作「妖怪ハンター」シリーズの傑作短編「生命の木」を映画化した伝奇ミステリー。
出演は藤澤恵麻、阿部寛、ちすん、柳ユーレイ、神戸浩、菅原大吉、一龍斎貞水など。
監督は「仮面学園」「ワイルド・フラワーズ」の小松隆志。

諸星大二郎は絵があまり好きなタイプではなくてこれまで読んでなかったのですが、この「奇談」を見てから俄然興味が湧いてきました。
ちょっとあっさりし過ぎの感もありましたが、なかなか面白かったです。

隠れキリシタンたちが世間から隔絶された事によって仏教や土着の民間宗教と密接に結びつき、本来のキリスト教とは異なった独自の宗教へと変貌を遂げて存在していたという内容はさながら和製「ダ・ヴィンチ・コード」といったところ。
聖書をモチーフにしたオカルティックな味付けも、妖しくも深遠で壮大なテーマを持つ世界観を構築する要素の一つとして、そして興味深い謎解きの重要なキーとして上手く機能していました。
かなり好き嫌いが分かれる作品だとは思いますが、下手にエンタテインメントに走らずに、最近の邦画では珍しいくらい芯の通った作品でしたね。


ただ、神隠しのエピソードがストーリーの盛り上げに一役買っていたとはいえ未消化気味だったり、やたらと説明台詞が多かったり、CGが安っぽかったりと気になる点もありました。
特にCGはに関しては、決してお金をかければ良いというものでもありませんが、海外の自主制作作品でももっと上手くCGを使いこなしている作品がある事を考えると、まだまだ日本のレベルが低いという事を痛感させられますね。
せっかくのミステリアスなムード満点のロケーションがそれによって損なわれていたのが残念でなりません。

「ダ・ヴィンチ・コード」ブームで歴史ミステリーに興味を持った人は見てみると良いんではないでしょうか。


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