Black Holes And Revelations/MUSE

Black Holes and Revelations
イギリスが誇るプログレッシヴ・スペース・ロック・トリオ、MUSEの4thアルバム。
アート・ワークは今回も元HIPGNOSISのStorm Thorgerson。

前作「Absolution」がロック史に刻み込まれるであろう傑作だっただけに次なる作品への期待と不安は相当なものでしたが、約3年ぶりとなるこの新作には良い意味で予想を裏切られました。
「Absolution」は言うなればそれまでのMUSEのサウンドを極限までに深化させ、洗練させ、楽曲、サウンド共に一つのベクトルへと収束させた、ある種のコンセプト・アルバムでした。
しかし、この「Black Holes And Revelations」は、その「Absolution」で到達したそれまでの限界点をスタート・ラインとし、敢えて自らに科していた枷を全て取り払った上で、その無限のイマジネーションを進化・拡散させた新生MUSEの第一章と言える作品です。

感情の迸りをよりナルシスティックに歌い、叫ぶMatthew Bellamy(Vo/Gu/Key/etc…)、図太いベース・ラインでボトムを支えるChris Wolstenholme(Ba)、躍動感溢れるダイナミックなドラミングでヘヴィなグルーヴを生み出し、過去最高の手数を繰り出すDominic Howard(Dr)。
3人が生み出す過剰なまでにドラマティックでメランコリックなサウンドと内省的でありながらも扇動的なその世界観は、まさに唯一無二の音宇宙と言っても良いでしょう。


シンセのアルペジオが心地良い壮大なオープニング・チューン”Take A Bow”、軽快なリズムの上で叙情的な旋律が舞う”Starlight”、スペーシーなMUSE流のダンス・ナンバー”Map Of The Problematique”、戦争の為に失われていく希望を歌ったアコースティックな小曲”Soldier’s Poem”、MUSE史上最も激しい攻撃性剥き出しのプログレ・メタル・チューン”Assassin”、スパニッシュの旋律を大胆に導入した”City Of Delusion”、見事にMUSE色に染め上げられたウェスタン調の”Knights Of Cydonia”など、これまでで最もヴァラエティに富んだその楽曲群からは、最早形骸化してしまった多くのプログレ・バンドにはない革新性と、ストイックなまでに自らの世界観を探求する貪欲さが感じられます。

完成度という点では前作に及ばないものの、MUSEというバンドが新たな次元へと足を踏み入れた事を確かに感じられる必聴盤。


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