ミリオンダラー・ベイビー

milliondollar-baby.jpg年老いたトレーナーと孤独な女性ボクサーの深い絆を描いたヒューマン・ドラマの傑作。
2004年アカデミー賞で作品賞、監督賞、主演女優賞、助演男優賞の4部門を受賞。

出演:クリント・イーストウッド、ヒラリー・スワンク、モーガン・フリーマンほか
音楽:クリント・イーストウッド
脚本:ポール・ハギス
監督:クリント・イーストウッド


アカデミー賞を受賞するのも当然。
ストーリー、演技、映像、音楽、どれも決して派手ではないですが、深い味わいに満ちた間違いなく傑作と呼べる作品です。

「ミスティック・リバー」でのショーン・ペン、ティム・ロビンス、ケヴィン・ベーコンの3人による静かにぶつかり合うような演技も素晴らしいものでしたが、この作品のヒラリー・スワンク、クリント・イーストウッド、モーガン・フリーマンの演技はとにかく深い。
自分が何をどう演ずるべきか悟りきっているかのような、そんな自然で少しの無駄も無い演技。
クリント・イーストウッドとモーガン・フリーマンの、年輪を重ねた人間の味わいを醸し出す引きの演技は勿論素晴らしいのですが、やはり特筆すべきはヒラリー・スワンクでしょう。
表情、台詞、目線、そして全て代役なしで挑んだボクシング・シーンまで、内に強い意志を秘めるマギーという1人の女性を完璧に表現しています。
フランキーとスクラップにも言える事ですが、特にこのマギー役はヒラリー・スワンク以外有り得ない。
完全に同世代の女優の中でもずば抜けていますね。
「ビバヒル」時代が嘘のようです。

お互いの傷を舐め合う事なく、自立した1人の人間同士としてお互いを認め合い、支え合うマギーとフランキー。
そして、2人を温かく、そして静かに見守るスクラップ。
血は繋がっていなくとも、3人は家族以外の何ものでもありません。
後半、物語はマギーのサクセス・ストーリーから一転し、家族、愛、絆、誇り、再生、そして生と死をマギーとフランキーの心の交流の中に静かに描き出していきます。

病室で語り合う2人。
そして、あまりに辛すぎる別れ。
「モ・クシュラ」の意味が心に突き刺さり、見る度に涙が止まりません。
最後の決断は賛否両論分かれるところだと思いますが、僕にはマギーの気持ちが痛いほど分かります。

生きる事の意味を観る者にそっと問いかけ、生涯忘れないであろう感動を心に刻み込む傑作です。


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