エターナル・サンシャイン

eternalsunshinepubv.jpg終わってしまった恋の思い出を捨てた彼女と捨て切れなかった彼の、かけがえのない楽しかった日々を辿っていく切ないラブ・ストーリー。

出演:ジム・キャリー、ケイト・ウィンスレット、キルステン・ダンスト、マーク・ラファロ、イライジャ・ウッドほか
音楽:ジョン・ブライオン
脚本:チャーリー・カウフマン
監督:ミシェル・ゴンドリー


この作品、恋人の記憶を消すというSF的な設定はありますが、基本はあくまでラヴ・ストーリー。
しかも、映画でありがちな都合の良いラヴ・ストーリーじゃなくて、現実の世界でありふれているリアリティを感じられるラヴ・ストーリー。

そんなありふれたラヴ・ストーリーをここまで素敵な物語に仕上げたのは、やはり脚本の力が大きいと思います。
「現在」から「過去」へと恋人との記憶を遡りながら、楽しかった記憶、辛かった記憶、その全てを再び体験し、そして同時にその記憶が消えていってしまうという設定は、このありふれたラヴ・ストーリーを特別なものにしています。
全てが時系列で語られるわけではないので所々戸惑う所もありますが、次第にそれもチャーリー・カウフマンから観客への挑戦のように思えてきて、思わずにやっとしてしまいます。
記憶の中のファンタジックなシーンをCGを使わず、セットで表現していた拘りにも拍手を贈りたいですね。

ジム・キャリーはこの脚本に惚れ込み、ほぼノー・ギャラ(通常のギャラは約20億らしい…)で出演したそうですが、他のドラマ系作品で見せてきた演技とは違う、「普通らしさ」を前面に出した素晴らしい演技を見せています。
あの変幻自在の顔芸は見られないのは残念ですが、心の内面を見せない現実世界のジョエルと、生き生きとした表情を見せる記憶の世界でのジョエルの演じ分けは見事と言う他ありません。

そして、この作品を語る上で外せないのがケイト・ウィンスレット。
ネバーランド」での未亡人の演技もかなり良かったですが、それとは一転してこの作品では自由奔放で気分屋なヒロイン、クレメンタインを演じています。
これまでどちらかと言うと上品なお嬢さん的な役柄ばかりを演じてたので、このクレメンタイン役でのハジけ具合には驚かされました。
それが決して上辺だけじゃなくて、内面の寂しさも感じさせる演技だった事が役者としての成長を物語っています。
赤、青、緑、オレンジと、ころころ変わる髪の色。
てっきり染めてるものと思ってたんですが、あれはカツラだとか。

本音を言い合って、喧嘩して、傷ついて、それでも心のどこかで求めてしまう。
そんな事ってあると思います。
辛い恋愛の思い出も、そこには沢山の輝かしい時間があったはず。
もし記憶がなくなっても、「きっと君のような君を探す」のでしょうか。

色んな事を思い出させてくれる素敵な作品です。


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