シャイニング

511kspxa23l.jpgスティーブン・キング原作のホラー小説を、鬼才キューブリック監督が映画化した傑作ホラー。

出演:ジャック・ニコルソン、シェリー・デュバル、ダニー・ロイド、スキャットマン・クローザース、バリー・ネルソンほか
音楽:ベラ・バートック、ウェンディ・カーロス
脚本:スタンリー・キューブリック
監督:スタンリー・キューブリック


所謂ホラーでは怖いと思う事は殆どないのですが、この作品は純粋に”恐怖”を感じる数少ない作品の一つ。

何よりまずジャック・ニコルソンのキレっぷりが凄い。
徐々にホテルに精神を蝕まれ、狂気を帯びていくその瞳や表情など、まさに名演。
本当に演技なのか疑ってしまうほどです。
特に、あまりにも有名な斧でこじ開けたドアから部屋の中を覗き込むシーンでのキレ具合は、もう感動的ですらあります。
そして、何故か被害者側のはずのシェリー・デュバルの絶叫シーンもその顔だけで十分にホラー。
むしろこっちの方が怖いくらい。
子役のダニー・ロイドのミステリアスな存在感も見事。
迷宮のような巨大ホテルの中で、ほぼこの3人だけしか登場しないにも関わらず、一切ダレる事はありません。

そして何よりこの作品を傑作たらしめているのは、キューブリックによる天才的な映像美。
双児の少女の亡霊やエレベーターから溢れ出る血の洪水を筆頭に、三輪車を漕ぐダニーを延々とロー・アングルで撮ったショット、ホテルの幾何学的なデザイン、多用されるシンメトリックな構図など、一つ一つのシーンがそれのみで十分鑑賞に値する妖しげな魅力に満ち溢れています。
登場人物を徹底的に突き放した冷たいアングルの連続に、見る度自分があのホテルそのものになったかのような錯覚に陥りそうになります。

眩暈を覚える程美しく、恐ろしい傑作です。
スティーヴン・キングは「自分の原作と違う」と怒ったみたいですけど。


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