1.0[ワン・ポイント・オー]

51y7mou7jl.jpg2004年のサンダンス映画祭で、「SAW-ソウ-」と並んで大きな話題を集めた不条理系SFスリラー。

出演:ジェレミー・シスト、デボラ・カーラ・アンガー、ウド・キア、ランス・ヘンリクセンほか
音楽:テリー・マイケル・フード
脚本:ジェフ・レンフロー、マーテン・トーソン
監督:ジェフ・レンフロー、マーテン・トーソン


現代に限りなく近い、無機質で退廃的な世界観の設定と、閉塞感を漂わせ、生理的嫌悪感を促すかのようなヴィジュアル。
謎めいたアパートの住人たちと、あまりに無造作に投げ掛けられる幾
つもの謎。
それらが幾重にも絡み合い生み出されるのは、妖しく危うい魅力を放つ余りに不条理な近未来。

これは人によってかなり好き嫌いの分かれる作品。
観客を置いていきかねない程説明を排除した展開は賛否両論あるかも知れません。
ただ、個人的にはそれが逆にこの作品の魅力的なヴィジュアルを引き立たせているように感じました。
影を巧みに使い、赤やオレンジといった暖色系の色を冷たく見せるセンスや、随所に感じられる近未来的ゴシックと言える雰囲気はかなり好み。
こういったヴィジュアル面からはデヴィッド・フィンチャーやデヴィッド・クローネンバーグからの影響が見て取れましたね。

謎の答えが、「もしかすると近い未来に起こりうるかも知れない」と思わせられるものだったのも良かったです。
実際問題あれに近い事は過去行なわれたり、禁止されたりしてますからね。
それに付随して、さりげなく貨幣価値の下落が描かれてるのも作品の世界観をよりリアルなものにしていました。

ただ、一番の問題はキャッチコピー。
「不条理系ナノテク・スリラー」というのは一見「これまで見た事のない新しいタイプの作品か?」と思わせるものですが、これは作品の核心そのものなので余りにネタバレし過ぎではないかと思います。
このキャッチコピーを読んでいれば最初からある程度答えを予想出来てしまいます。
一捻りあると言えばあるのですが、知らずに見ていたらもっと面白く感じたかも知れません。
そこだけが非常に残念でした。


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